香港国家安全法に米国反発、足元見られる「トランプ砲」 米国は関税優遇の撤廃などをちらつかせるが中国は余裕の構え

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
香港に対する優遇措置撤廃の方針を表明したトランプ大統領。「大勢に影響なし」とみられて日本株市場は反発した(ロイター/アフロ)

「中国は約束された『一国二制度』を『一国一制度』に変えてしまった。香港を特別に扱う優遇措置を撤廃するプロセスを開始するよう指示した」

5月29日、トランプ米大統領は中国が香港に国家安全法制の導入を決めたことを受けて、かねて宣言していた「非常に強力な対応」を実行することを表明した。

米国は1992年に定めた香港政策法で、一国二制度の下、香港に一定の自治があることを前提に関税やビザ発行などで中国本土とは別の扱いを認めてきた。

だが、昨年夏に香港で逃亡犯条例への反対デモが大規模化すると、強権化する香港政府やその背後にいる中国政府への反感から、米国議会では香港政策法の見直しを求める声が高まった。

昨年11月には香港人権・民主主義法が新たに成立。同法では、米国の国務長官が最低でも年1回、香港への優遇措置を継続するかどうか判断することが求められている。今回の措置はそれに沿ったものだ。ただし、時期は明示していない。

関連記事
トピックボードAD