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武漢の封鎖解除した中国、新型コロナ対策に難題2つ 新型コロナ問題の着地はまだ見えない

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武漢の封鎖は4月8日、2カ月半ぶりに解除された。写真は高速道路のバリケードを撤去する職員(新華社/ アフロ)

4月8日、湖北省武漢市の封鎖が一部条件付きながら解除された。1月23日の出入境制限から2カ月半ぶりだ。中国が武漢での感染情報を隠蔽して初動にもたつき、世界に新型コロナウイルスをまき散らしたと考える人には釈然としないニュースだろう。

「統計をごまかしているのではないか」といった疑問も出ているが、ごまかして後で困るのは中国自身で、得るものは何もない。ただ流行の第2波には警戒が必要だ。

一部メディアが指摘した「無症状感染者」は騒ぐような話ではない。彼らは日本でのように検査を受けないまま自覚もなく動き回っているのではなく、医学的観察の下にあるからだ。

中国の当局が本当に頭を痛めているのは、海外からの帰国者増加と、ウイルス感染の全容解明の遅れという2つの課題なのである。

前者は医療崩壊ならぬ空港検疫崩壊を引き起こしかねず、国内の分断に発展しそうな兆候も見られる。武漢とは対照的に欧米での感染爆発は出口が見えない。「今や中国のほうが安全」とばかりに留学生の帰国ラッシュが起き、水際対策の設備が追いつかなくなっている。

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