不適正募集で信用失墜、かんぽ生命新社長の危機感 不適正募集の調査が注目を集めるが構造的な問題の解消も急務

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昨年夏から保険営業を自粛。一部業務停止の行政処分が明ける4月以降も顧客対応が続くため、本格的な営業再開のメドは立っていない(撮影:梅谷秀司)

「これほどのボリューム感のある事態が起こっているとはわかっておりませんでした。去年4月に(日本郵政から)かんぽ生命保険に戻ってきて、『不適正募集調査を最前線でやれ』と言われて、実際に見て(不適正募集件数の多さに)『ええっ!』と思ったのが本当のところ」。2月21日、かんぽ生命の千田哲也・新社長は共同インタビューでそう述べた。

かんぽ商品の9割は郵便局員が委託を受けて販売している。局員による不適正募集はわかっているだけでも23.6万件。社内ルール違反は1306件、法令違反は106件だ(1月29日時点)。元検事3人で構成する特別調査委員会が今年3月末をメドに追加調査を実施中で、違反件数はさらに増える可能性が高い。

昨年12月18日に特別調査委員会がまとめた「調査報告書」によれば、かんぽの不適正募集を職場で見聞きしたことがある郵便局員は5割前後。つまり、2人に1人は知っていた。

不適正募集が広く行われていることは現場では周知の事実なのに、本社が知らないのはなぜか。調査報告書は「見て見ぬふりをするという風潮が存在した」と指摘している。不適正募集が積み上がった背景を、ある郵便局員は「数字ありきの推進管理」と指摘する。

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