日系でも建て替えを機に、客室を減らし、高級化するホテルが増えている。
今から10年以上前、パレスホテル東京の開発準備室副室長だった渡部勝総支配人は、都内を駆け回っていた。あるホテルでは、バスタブにお湯がたまる時間を計測し、別のホテルではシャワーブースのサイズを確かめた。訪問先の担当者が呆気にとられる姿に少し恥ずかしさを感じたが、パレスを生まれ変わらせ、「顧客に支持され続けるタイムレスなホテルをつくり上げる」(渡部総支配人)には必要なことだった──。
東京の日系ホテルのほぼすべてが注目しているのが、このパレスの成功だ。2009年から3年間、総工費750億円をかけて建て替えを実施。客室数を389から290に減らす一方で、世界のラグジュアリーホテルに匹敵する客室の広さや内装を実現した。
19年1~6月の平均客室単価(ADR)は6.2万円。直近の客室単価が10万円超のアマン東京などは別格としても、コンラッド東京やグランド ハイアット 東京など、外資系ラグジュアリーホテルと近い水準にある。日系の建て替え組では象徴的な成功例だ。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら