有料会員限定

カシオ、開き直りの一本足打法 Gショックの次もGショック

✎ 1 ✎ 2
拡大
縮小

世界で売れまくるGショック。そのブランドに会社の未来を託す。

本誌:劉 彥甫
写真:2月に香港で展開された大規模な宣伝広告。欧米やアジアなど各地でGショック人気が続いている

今年6月上旬、米国シカゴの空港に1人の男が降り立った。カシオ計算機の伊部菊雄アドバイザリー・プランナーだ。「落としても壊れない丈夫な時計」──。38年前に出されたたった1行の短い企画書から開発された腕時計「G-SHOCK(Gショック)」の生みの親である。

伊部氏は、シカゴ郊外にある老舗の大型家電小売店Abtエレクトロニクスで開催されたGショックのプロモーションイベントに参加。店内の大きなイベントスペースでGショックの誕生ストーリーや最新製品について語り、詰めかけた多くの時計コレクターたちが熱心に聞き入った。

シカゴでのイベントを終えると、伊部氏はすぐに次のプロモーションのためにカナダのトロント、バンクーバーへと向かった。カナダでは老舗デパートチェーンなどに足を運び、現地の有力宝石店や高級セレクトショップの関係者らにGショックの魅力をアピールした。

Gショックの販売拡大が止まらない。昨年度は世界で約950万個を販売し、14年連続で前年を上回った。カシオの屋台骨を支える時計事業において、Gショックは売上高で約半分、利益に至っては軽く過半を稼ぎ出す文字どおりの「ドル箱製品」だ。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内