カギは「データフロープロセッサー」。自動運転と電動化の一大商機を狙う。
それはプレスリリースだけの地味な発表だった。だが、グループにおける半導体事業をデンソーへ集約し、一層の強化を図るというトヨタ自動車の強い意志を確認できる出来事だった。
7月10日、トヨタとデンソーは次世代の車載半導体の研究開発を行う新会社を2020年4月に設立すると発表。出資比率はデンソー51%、トヨタ49%で、デンソーの先端技術研究所(愛知県日進市)を拠点とする。
トヨタは昨年6月に、半導体を含む主要な電子部品事業をデンソーに集約する検討を始めたと公表済み。トヨタの広瀬工場(愛知県豊田市)での半導体・電子部品の生産をデンソーに移管するとともに、その量産開発もデンソーに一本化する方針を示した。今年4月にはそれらを20年4月に行うと明言している。
広瀬工場のデンソーへの移管はトヨタグループ内外に衝撃を与えた。というのも、広瀬工場がトヨタとデンソーの微妙な関係の象徴として知られていたからだ。
自動車は原価の約70%を部品会社から調達するビジネス。自動車メーカーによっては、細かい部品は調達先任せにすることも珍しくない。そうした中でトヨタは「手の内化」というトヨタ用語があるほど内製志向が強く、外部調達するにしても技術や部品原価のブラックボックス化を嫌う。
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