今、米国が大きく揺れている。従来の保守、リベラルの枠組みを超えて若者が右と左に分裂。新しい政治運動になりつつある。
夏休みを迎え、国内外から観光客が多く訪れる米首都ワシントンDC。名所の1つであるホワイトハウスの前で20代とおぼしき若者が大声で叫んでいた。
「トランプは正しいことをしている。国境の壁を作り、移民を制限するべきだ。中国に対しては強硬に出て当たり前だ。なぜ偉大なトランプを批判するんだ」
7月のワシントンは気温30度を超える蒸し暑さ。炎天下にもかかわらず、ホワイトハウスの前では反トランプ派が座り込み、プラカードを掲げて大統領を批判していた。その真横で親トランプ派が大統領擁護の主張を繰り広げている。分裂する米国社会の状況を象徴するかのような風景だった。
2020年の大統領選挙を控え、米国が揺れている。その震源となるのが、ミレニアル世代に代表される若者だ。1981~96年に生まれたミレニアルは、「アメリカンドリームを失いつつある」と米国で最大の社会主義団体、米民主社会主義者(DSA)の全国政治委員会のメンバーであるクリス・マイザーノは語る。
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