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髙島屋社長「百貨店の王道を貫き、難局を打開する」 村田善郎社長7000字ロングインタビュー

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村田善郎(むらた・よしお)/1961年生まれ。1985年慶応大学法学部卒業、高島屋入社。2011年柏店長、2013年執行役員、2015年常務取締役を経て、2017年8月から代表取締役。今年3月から現職。(撮影:梅谷秀司)
順調に拡大していたインバウンド需要は、今年1月に中国で電子商取引法(新EC法)が施行された影響を受け急失速した。中長期的には、ボリュームゾーンである中間層需要が先細りする見通し。逆風が吹き付ける中、百貨店は次なる成長戦略をどう描くのか。3月に就任した高島屋の村田善郎新社長を直撃した。
(注)本記事は週刊東洋経済掲載インタビューのロングバージョンです。

 

――昨2018年度はインバウンド需要に浮き沈みがありました。現在の状況は?

2017年度に百貨店の売上高は底打ちしたが、その要因はインバウンド需要と高額品の販売増に支えられた側面がある。この2つの要因を差し引くと、全体の基調は弱い。前2018年度の百貨店売上高はインバウンド需要と高額品の2要因を除くと、前年度比2~3%のマイナスだった。

2018年度は全般に前半はよかったが、後半になって減速した。昨年11月ぐらいからの株安が逆風となり、高額品の伸び、つまり富裕層のマーケットが下向いた。加えて、1月に施行された中国新EC法の影響で、当社の免税売上高は1月だけで前年同月比15%の減少だった。2018年度の免税売上高は当初、通期で15%の伸びを予定していたが、結果は12%の伸びにとどまった。

今2019年度に入り、免税売上高は3月ぐらいから関西の店舗を中心に戻り始めた。関東圏は少し遅れている。関西の戻りが比較的早かったのは、新EC法の影響を受ける「転売屋」(転売業者)は関東で活動することが多いため、関西では旅行中に立ち寄ってくださる個人顧客が多かったからではないかと分析している。

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