米プラント巨額損失の内実 千代化がまたもや経営危機

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日系プラント大手が債務超過に転落。三菱商事の支援は取り付けたが…。

千代田化工建設が米ルイジアナ州で建設するLNG液化設備。現場作業員の賃金高騰などで、巨額の損失を被った。工事は来年まで続く(©Cameron LNG)

米国有数のシェールガス産地、南部のルイジアナ州で進められている液化天然ガス(LNG)の大型プロジェクトが、日本でにわかに注目を集めている。大手プラントエンジニアリング会社、千代田化工建設がその現地設備工事で巨額損失を出し、経営危機に直面しているからだ。

同社が5月に発表した2019年3月期の連結決算は、2149億円もの最終赤字を計上。蓄えはすべて吹き飛び、3月末時点で592億円の債務超過(自己資本がマイナスの状態)に陥った。この財務状態では会社存続が困難なため、筆頭株主の三菱商事の支援を受けて経営再建を目指す。

旧三菱石油の工事部門から発祥した千代化は、日揮に次ぐ石油・天然ガス関連プラントの日系大手だ。海外の資源国を舞台に仕事を手がけ、とくに技術難易度が高いLNGプラント(天然ガスをマイナス160度に冷却して液化する設備)では、日揮や米国のKBR、ベクテルなどと並んで世界有数の実績を誇る。それだけの技術を持ったプラントエンジ会社がなぜ、経営危機に陥ったのか──。

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