歴史的合意を阻んだ米朝の相反する「計算法」 非核化への認識の違い
非核化も関係改善も進まなかった首脳会談の内情は。
経済制裁の緩和や連絡事務所の相互設置、非核化の一部実施で合意するのではないか。そんな前評判が高かった2回目の米朝首脳会談は、結局、不発に終わった。2月27、28日の2日間にわたって行われた会談は合意に至らず、米国のトランプ大統領は予定を繰り上げて早々に帰国の途に就いた。
合意できなかった理由は、すでにいくつか指摘されている。トランプ大統領は会談最終日の記者会見で、「米国が要求するような非核化の対象・プロセスに北朝鮮が応じなかった」と打ち明けた。さらに、「北朝鮮は経済制裁の全面解除を要求してきた」と付け加えた。
これに対し、北朝鮮の李容浩(リヨンホ)外相と崔善姫(チェソンヒ)外務次官が3月1日深夜に記者会見を開き、「経済制裁の一部解除は要求したが全面解除ではない」「(北朝鮮国内の)寧辺(ニョンビョン)にある核施設、とくにウランやプルトニウムから核物質を生成する施設を米専門家とともに共同で廃棄する用意があった」と反駁(はんばく)した。北朝鮮が会談後に記者会見を開くこと自体、極めて異例だ。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら