1927年創業の文具メーカー、キングジム。その社長を務める宮本彰氏は、73年に暁星高校から慶応大学に進学した。慶応進学を勧めたのは、3代目社長だった父・浩三氏だったという。
「父は一橋大学出身ですが、『企業の後継者は慶応に進むのがいちばんいい』と言っていました。文具業界には“文具三田会”があり、そうそうたるメーカーや販売店の社長さんたちが参加して活発に活動していることを目にしていたのでしょう」
そこで経済学部を目指したが、暁星で学んだ彰氏は英語よりもフランス語が得意。ところが経済学部はフランス語で受験ができなかったため、志望学部を切り替えた。そして法学部の受験日に、彰氏は後に妻となる敦子さんと出会った。
「私の1つ前の席に妻が座っていました。私の受験番号が1万2004番で、妻は1万2003番。セーラー服のお下げ髪がまぶしくて、絶対にここに入りたいと思いました」
まさに彰氏の一目ぼれ。一方の敦子さんは彰氏に気づかなかったという。
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