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司法取引制度による捜査の手抜きに注意 ゴーン氏の再逮捕と東京拘置所生活・下

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特捜検察の捜査には、警察の捜査と比較して、特徴がある。まず、特定のマスメディアに検察が捜査情報をリーク(漏洩)する。この行為自体は、国家公務員の守秘義務違反に該当する違法行為だ。もっとも報道関係者の職業的良心からすれば、公務員から秘密情報を引き出して、国民の知る権利に奉仕することなので、奨励される価値になる。そのことが、検察が事実上、マスメディアを下請けにして捜査を手抜きすることにつながる。

日産自動車前会長のカルロス・ゴーン氏と同前取締役グレッグ・ケリー氏の逮捕をめぐる朝日新聞の報道を分析すると、検察とマスメディアの歪んだ関係が浮き彫りになる。2018年11月19日、特捜部はゴーン氏とケリー氏を逮捕した。羽田空港で小型機からゴーン氏が降りるのを待ち構えていた朝日新聞記者がこんな報道をした。〈19日夕、カルロス・ゴーン会長の乗ったとみられるビジネスジェット機が羽田空港に着陸すると同時に、東京地検特捜部の捜査は一気に動き出した。/羽田空港の滑走路に、ジェット機が降りたのは午後4時35分ごろ。機体のエンジン部分には「NISSAN」の社名に似た記号「N155AN」が黒い文字でプリントされていた。/特捜部は着陸をひそかに、だが、万全の態勢で待ち構えていた。事前にゴーン会長が19日午後4〜5時にビジネスジェット機で羽田空港に到着することを把握。空港で接触し、そのまま任意同行を求められるよう捜査態勢を組んだ。周到に準備された流れだった。/19日当日も、フライト情報に変更がないことや、飛行機の着陸のための手続きが済んだことを最後まで慎重に確認。着陸直後に、ゴーン会長への接触に踏み切った。〉(2018年11月19日「朝日新聞デジタル」)

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