2019年に入ると、FRB(米国連邦準備制度理事会)の政策姿勢は一変する可能性が高い。
過去1年間、FRBは年8回開かれるFOMC(米国連邦公開市場委員会)で、1回置きに着実に、0.25%の政策金利引き上げを実施してきた。政策金利が経済に中立的な水準に達しない中では、こうした予見可能性の高い政策運営ができた。しかし、パウエル議長は、足元で政策金利が中立水準に近づいてきた、との判断を示唆した。今までの金融政策が19年も続くと決め付けないようにと、市場に注意を促したのである。
これまでの金融市場では、FOMCの示している政策金利の中長期均衡値の見通しが3%程度であることから、その水準あたりまでは、一定ペースで政策金利の引き上げが続く、との見方も相応にあった。だが、政策金利が中立の領域に入ってきたとFRBが判断したのだとすれば、今後の政策運営は、経済、金融環境次第で決まるという傾向が強まるはずだ。
これは、FRBにとっては、より柔軟な政策姿勢に転じたことを意味するが、金融市場にとっては、金融政策の見通しに対する不確実性が、従来よりもかなり高まったことを意味する。それは、19年の金融市場をより不安定にしてしまう可能性がある。
FRBは、現在のところ、インフレ面でのリスクをそれほど強く警戒していない。そのため、今後、ひとたび弱めの経済指標が発表されれば、それに敏感に反応し、政策金利の引き上げを見合わせる判断を下すのではないか。
さらに注目されるのは、FRBの金融政策が、トランプ大統領から事実上の介入を受ける可能性を否定できないことだ。10月以降、トランプ大統領は、行き過ぎた政策金利引き上げ策が金融市場に悪影響を与えているとして、FRBへの強い批判を繰り返している。
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