不文律を破って本腰を入れる自動車ビジネス 集中連載|SONY 静かなる再興 第3回(最終回)
「人命にかかわる事業はやらない」という不文律を破って、自動車のセンサーに本格参入するソニー。カネのなる木か、禁断の果実か。本誌:印南志帆 写真:自動運転車におけるソニーの貢献を語る吉田社長(8月、ドイツで)
自動車を運転中、数百メートル先の車道を歩いている人がいた。運転手が車内ディスプレーのアラームに気づかず走り続けると、車内に警報音が鳴り響いた。自動ブレーキに続いて作動したのが自動ハンドルだ。車はすんでのところで歩行者の脇にそれ、止まることができた。
新型レクサスの安全はソニーの半導体がカギ
この自動ハンドルは、2017年にフルモデルチェンジした高級車レクサス「LS」に搭載されたもの。開発したトヨタ自動車によれば、フロントガラスに取り付けられたカメラが単眼から複眼になったことが、遠方の歩行者や対向車の検知精度を向上させた一因という。
この車載カメラの性能向上のカギとなるのが、レンズの奥に仕込まれた幅1センチメートル程度の長方形の半導体、CMOSイメージセンサー(以下、CMOS)。ソニーが、自動車部品大手のデンソーに供給しているものだ。実はこの小さな半導体チップ、これまで車載関連の事業をほとんど手掛けてこなかったソニーを、次世代自動車産業のキープレーヤーへと押し上げる力を持っているかもしれないのだ。
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