中国で中古品売買を手掛けるスマホアプリが次々と登場し、市場を急拡大させている。背景の一つには、中国人の消費意識の変化がある。
中国で中古品の市場が拡大している。スマートフォン本体や衣料品、家具、書籍などの中古品を扱うスマホアプリが次々と登場、人気を呼んでいる。その背景には、物質的欲求がある程度満たされ、個性の追求や節約意識など、暮らしに別の価値を求め始めた消費者の変化がある。
9月初め、アリババグループの中古品売買アプリ「閑魚」は2017年8月からの1年間の流通総額が900億元(1元=約16円)を突破したと発表した。創業からわずか4年。13年にスタートした日本のメルカリの18年6月期流通総額が3704億円であることを考えると、その規模の大きさがわかる。
閑魚は個人間の中古品売買アプリとして誕生したが、その後サービスを拡大、現在は「閑魚優品」(中古品販売)、「信用回收」(中古衣料の買い取り・回収)、「閑魚租」(レンタル)、「免費送」(無料譲渡)の四つの領域がある。たとえば回収サービスでは、買い取りで値段のつかない服には「エネルギーポイント」を発行し、ポイントは植樹活動などに使われる。レンタルサービスでは服やカメラなどのレンタルのほかマンションの短期居住なども扱う。「免費送」は不要な衣類や日用品などを個人が送料のみで譲渡するサービスで、希望者が多い場合はオークション形式になるなど工夫が凝らされている。中古品ビジネスを単に販売や買い取りだけでなく、広い範囲でとらえ直したことが成功の要因といえる。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら