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舗装業界 懲りない構造 道路工事で相次ぐ談合

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3年で6回も独禁法違反の疑いで立ち入り検査された道路舗装業界。談合やカルテルの温床となっている構造を探る。

(本誌:一井 純)

道路工事をめぐる独禁法違反が相次いでいる(写真はイメージ)

「懲りないね、あそこは」。建設会社の幹部がそう評する業界がある。

道路舗装業界だ。主要プレーヤーの多くは大手ゼネコンの傘下にある。注目を浴びることの少ない黒子的な業界だが、ここ3年の間に6回も、入札談合やカルテルの疑いで公正取引委員会が立ち入り検査するという異常事態が起きている。

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「1社1工事で」 合材工場が談合の温床

舗装業界を語るうえで欠かせないのがアスファルト合材工場の存在だ。舗装のために道路に敷くのがアスファルト合材。仕入れたアスファルトに骨材などを混ぜ合わせて造る。だが、合材は冷えると固まってしまうため、合材工場は工事現場から1時間以内の場所にあることが望ましい。

大手舗装会社は全国に合材工場を所有している。が、中小舗装会社は全国に工場を持つことが難しく、そもそも合材工場を所有していなかったりする。この合材工場の有無が談合の温床となった。

2011年に発生した東日本大震災。被災地に急行した舗装各社の担当者が目の当たりにしたのは、壊滅的な被害を受けた道路だった。救助や物資の運搬には道路の復旧が先決。だが、各社はすぐさま壁に直面した。「合材が足りない」。

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