トランプ大統領の発言には、事実と異なる内容が目立つ。米国では、そうした偽情報の発信を牽制するファクトチェックの取り組みが活発だ。

フェイクニュースが社会問題となる今、ファクトチェックを専門に行う団体の重要性が増している(AP/アフロ)
「ボウリングのボールを20フィート(約6メートル)上から米国車に落とし、車体がほんの少しでもへこんだら、検査では失格だ」
日本が米国車の輸入に際して行う検査についてトランプ大統領は、米ミズーリ州で3月に開かれた政治資金パーティの場で、支持者らにこのように説明した。
この内容を報じられると、ホワイトハウスの報道官は「ジョークだった」と言い訳をしたが、「これをジョークで終わらせるのは普通ならありえない」(公共放送NPRのデスク)ことだ。
トランプ大統領は事実と異なる発言や、確認できないものの事実とは思えない発言が多い。自らに批判的なニュースを「フェイク(偽)ニュース」として批判する一方、自身がフェイクニュースの発信者ともなっているわけだ。
たとえばトランプ大統領は、「日本車の対米輸出には関税がかからないが、米国車の対日輸出には高い関税が課されている」と繰り返し発言している。正しくは、日本車の対米輸出に2.5%の関税が課せられているのに対し、米国車の対日輸出にかかる関税はゼロだ。
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