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のれんが多額になる買収は、もうしない Interview|日本郵便 社長 横山邦男

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縮小

2007年の郵政民営化から10年。日本郵政グループの利益はなお9割を金融2社が稼ぐ。郵便事業を担う日本郵便は豪物流会社・トールを買収したが、4000億円もの損失を計上した。成長をどう実現するか、日本郵便の横山邦男社長に話を聞いた。

よこやま・くにお●1956年生まれ。三井住友銀行常務執行役員、三井住友アセットマネジメント社長を経て、2016年6月から現職および日本郵政取締役。(撮影:梅谷秀司)

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──業績が伸び悩んでいます。

郵便取扱数はこの10年で2割縮小したうえ、郵便事業は労働集約型であり、近年の人件費上昇が重たい。収益力の伸び悩みというように見えるかもしれない。しかし、当社には大きなポテンシャルがある。これから伸ばしていくビジネスで、経費増を打ち返していく。

──トールの減損を今どのように振り返りますか。

(100件以上の)M&Aで業容を拡大してきたトールは、買収社同士で業務内容の統合ができておらず、コスト競争力がなかった。そのマイナスに豪経済低迷が重なり、経営不振に陥った。

減損前は毎期200億円超ののれん償却を20年間決算に強いる形だった。その重しが取れたことはよかった。今は、システム統合などでコスト削減を進めている。

トールは最近、シンガポールに新しい物流センターを作った。当社がアジアやオセアニアにおいて日本企業向けの物流を強化していくうえで重要な拠点になる。買収効果はこれから出てくるはずだ。

──今後もM&Aを続けますか。

われわれのコア事業の強化や補完につながる企業であれば、つねに買収を考える。ただし、買収価格は冷静に判断し、自分たちのターゲットゾーンに入ってきたときに買う。今後は、のれんが多額になるような買収はしない。

適正料金で宅配便維持 配送の担い手も育てる

──人件費上昇を受け18年3月にゆうパックの運賃を平均12%引き上げます。配達戦力は今後も安定的に確保できますか。

荷物の増加で宅配現場がさらに逼迫する可能性はある。だが、社員に過重労働を強いることはできない。適正料金をいただき、宅配便サービスを維持成長させていく。

都市部での配達の多くを委託する運送業者とは長年培ってきたよい関係がある。囲い込みもしつつ、配送の新たな担い手を育てていく。

大手ネット通販企業とは、容積の小さい商品用に、箱の小型化も検討中だ。積載効率を高めていく。

──全国2万4000局のネットワークをどう活用しますか。

郵便局はコミュニティの中心にあり、対面のよろずコンサルタントでなければいけない。この点で金融窓口事業はもっと伸ばしていく。貯金を基点に、顧客のライフステージに応じて幅広い金融商品の中から提案する。たとえば投資信託は100兆円市場だが、われわれの預かり資産残高は足元で1兆6000億円弱。18年から始まるつみたてNISA(少額投資非課税制度)は顧客に販売しやすい商品だ。投資信託の取扱店舗を増やし、将来は10兆円規模を目指す。

──不動産事業はどうですか。

物流拠点は駅前の一等地になくてもよい。違う場所に動かし、もともとの土地を再開発する。物流網の再編と併せ、不動産活用を進める。保育施設や高齢者施設を一体型で作ることも検討している。郵便局を核に、「時代の要請に基づく社会的使命」を果たしていく。

(聞き手・本誌:木皮透庸)

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