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風力発電軽視のツケ 送電技術の後れを招く

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数多くある再生可能エネルギーのうちで、風力は世界で最もメジャーな存在だ。

国際再生可能エネルギー機関(IRENA)が発表した「再生可能エネルギー統計」の最新版(2017年版)によれば、15年の全世界における太陽光発電の発電電力量が254テラワット時であったのに対し、風力は826テラワット時、つまり3倍以上に上っている。欧米や中国をはじめ、ほとんどの国で、風力は太陽光を凌駕している。その例外が日本だ。

日本では、12年7月に再エネの固定価格買取制度(FIT)が始まってからも、風力発電の導入はなかなか進まず、発電電力量でも太陽光に大きく引き離されている。現行のエネルギー基本計画に基づいて15年7月に決定された「長期エネルギー需給見通し」でも風力はあまり期待されていない。30年度の電源構成(発電電力量ベース)において太陽光の4分の1、総発電電力量のわずか1.7%程度にすぎない。

こうした事実を知った海外の専門家から、「日本は風力発電の導入をあきらめたのか」と、聞かれることが多い。

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