去る4月25日、緊張の高まった朝鮮人民軍創設85周年記念日は、北朝鮮が「自制」したのか、どうにか事なきをえた。前後に核実験やミサイル発射がそれなりの現実味を帯びていただけに、抜き差しならない事態に陥る可能性もあったのである。
そうはいっても、危機が収束したわけではない。その後4月29日、北朝鮮は実際にミサイルを発射し、日本でも鉄道が止まるなどの騒ぎになった。ティラーソン米国国務長官が主催した国連安全保障理事会の閣僚級会合に合わせたという説もある。
当事者意識の薄さ
そのなかで、あいかわらずズレているのが、韓国である。もちろん米軍と協働する韓国軍は、それなりに活動している。しかし当の政府要人、文在寅(ムンジェイン)新大統領、あるいは知識人・マスメディアの言説は、北朝鮮の脅威にはおよそ鈍い反応しか示してこなかった。逆に日本の騒ぎを過剰だとし、それが安倍政権の陰謀だと疑う見方すらある。
そんな対日意識はさておき、韓国の当事者意識と危機感の希薄さは、目を覆わんばかりである。そうであればこそ、その言動に対する興味はつきない。
北朝鮮が挑発を続けながらも、なお核実験を思いとどまっているのは、にわかに圧力を強めた中国を憚(はばか)ってのことだろうか。それなら、トランプ米国大統領がなりふり構わず、中国によびかけた成果だったととらえることもできる。
習近平中国国家主席の発言を引いて「韓国は中国の一部だった」とトランプが述べたという、前号の小欄で見た記事も、そのひとこまである。軽率きわまる発言ながら、ひとまずは米中会談の紹介、米国人に向けてのメッセージであるなら、それはそれで理解できないことではないし、ほかの国があえて目くじらを立てることでもない。けれども韓国は異なる。
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