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最高興収でも喜べない映画制作の苛酷な現場 進む低予算化で映画監督も「食っていけない」

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よい映画作品を生み出し続けるには、制作現場の環境改善が急務だ。

昨年8月公開の『君の名は。』は今も上映中で、毎週興収ランキングの上位に顔を出している(撮影:今井康一)

「映画界にとって自信を持てた1年だったと思う」

1月下旬、都内で開催された日本映画製作者連盟の新年記者発表会の席上で、同連盟会長の岡田裕介・東映会長は、昨年の映画業界をそう振り返った。

興行収入は2355億円と、これまで最高だった2010年の2207億円を大きく上回った(図表1)。最大の牽引役は新海誠監督のアニメ作品『君の名は。』だ。1月時点で歴代4位となる235億円超の興収に達した。公開は昨年の8月末だが、今なお上映中で興収ランキングの上位に顔を出す。歴代3位の『アナと雪の女王』(興収255億円)を超える可能性は高い。

[図表1]
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東宝の島谷能成社長は、大ヒットにつながった要因を「若者が作品の魅力を評価して、SNSで拡散してくれたことが大きい」と分析する。

さらにエヴァンゲリオンを手掛けた庵野秀明氏が脚本・総監督を務めた『シン・ゴジラ』はゴジラシリーズとしては最高の興収82.5億円を記録。「ゴジラは東宝を代表するIP(知的財産)。庵野監督がすばらしい作品にしてくれた」(島谷社長)と絶賛する。東宝としても配給作品の興収はこれまでの最高記録を100億円上回る854億円となり、わが世の春を謳歌した。

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