電力会社主体の地震動の過小評価は防げるか 熊本地震で新たな知見?あれも過小評価か
大地震を引き起こすのは地下深くにある震源断層。その長さや深さ、傾斜角などを、地震が起こる前からあらかじめ正確に把握することはできるのだろうか。できるとしたら、どのような方法があるのか。できないのであれば、どのような方法によって、起こりうる地震の大きさを推定することが可能なのだろうか。
「関西電力・大飯(おおい)原子力発電所の基準地震動(想定される最大の揺れ)は過小評価の疑いが強い」
原子力規制委員会で委員長代理を務めた島崎邦彦・東京大学名誉教授による問題提起をきっかけに、原発の耐震設計を決める基準地震動の予測手法に関心が集まっている。万が一にも過小評価されていると、炉心溶融などの大事故にもつながりかねないからだ。
この基準地震動を定めるときに用いられる、地震の大きさを予測するための手法が、このたび改定された。
安全審査に反映できるか 予測手法改定の意味
文部科学省の地震調査研究推進本部(以下、地震本部)は2016年12月9日、「震源断層を特定した地震の強震動予測手法」(通称「レシピ」)の修正を発表。従来、電力会社が基準地震動策定に用いてきた手法(以下、レシピ〈ア〉)の表題について、「過去の地震記録や調査結果などの諸知見を吟味・判断して震源断層モデルを設定する場合」に書き改めた。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら