日本では報道が下火の「AIIB」や「一帯一路」だが、海外の関心は高まっている。なぜ欧州の知識人は中国主導の経済構想に引き付けられるのか。
10月20日、アジアインフラ投資銀行(AIIB)が、北京で初めての国際諮問委員会を開き、経営戦略や組織の運営のあり方について意見を交わした。日本から鳩山由紀夫元首相が参加したほか、パキスタンのアジズ元首相、気候変動の報告でも知られるスターンLSE教授、香港初代行政長官の董建華氏などが参加したことが伝えられた。日本では一時期に比べ報道が下火になった感があるAIIBや一帯一路構想(シルクロード経済圏+21世紀海のシルクロード)だが、依然として国際的な関心は高い。
実は筆者も、10月初旬にアイルランドのダブリンと、フランスのパリを訪れ、現地の専門家と一帯一路構想に関して意見を交わしてきた。フランスでは、仏戦略研究財団(FRS)主催の「新シルクロード構想:黄金郷かはたまた蜃気楼か」というセミナーが開催され、フランス国内の東アジア、東南アジア、ロシア、南アジアなどの地域研究の専門家が、それぞれの地域における一帯一路のインパクトや反応について報告を行った。欧州での意見交流を通じて印象的だったのは、米国の識者などと比べて、一帯一路に関する好意的な評価が多かったことだった。
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