訪日外国人の「爆買い」減速が合図だった。百貨店が郊外型店舗の閉店を相次いで決定した。街から百貨店が消えていく「閉店ドミノ」。
[ポイント1]
バブルにかけ都心郊外へ出店を加速した百貨店だが、大型のショッピングモールやアウトレットモールに客足をとられ停滞が続いた。
[ポイント2]
バブル崩壊で主力の衣料品への消費が縮小、カジュアル衣料にシフト。干天の慈雨だった訪日観光客の購買にも急ブレーキかかる。
[ポイント3]
都心大型店しか生き残れないが、それでは上場に耐えられない。将来はほとんどの百貨店が鉄道会社系列になるとの専門家の見方も。
「会社から説明があったのは閉店の報道があった当日だが、どこか心の準備はできていた。お客様も、何年も前から『危ないのでは』とうわさしていたから……」。千葉市にある三越千葉店。半年後の閉店が発表された9月上旬、同店の販売員は焦燥した表情で語った。
商圏人口240万人弱の千葉市で、駅から徒歩5分。立地はそう悪くないはずだが、休日に訪れても店内は閑散としている。衣料品フロアには空きテナントがちらほら。飲食店では、客が声をかけて初めて、厨房から店員が姿を見せた。この空間には、もう何ともいえない緩い空気が流れている。
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