米GAPの低価格ブランドはなぜ撤退するのか 急出店の「オールドネイビー」日本での大誤算
鳴り物入りの上陸から4年で突然の日本撤退。いったい何が起こったのか。
9月のある平日夕方、「オールドネイビー」吉祥寺店。入り口の電光看板には“閉店のお知らせ”が表示されていた。店内に入ると至る所に、シャツやパンツで40%OFFなど、閉店セールのポップが目につく。レジには商品をいくつも抱えた女性客や親子連れの客が並ぶ。
1995年、銀座阪急に「GAP」を初出店して以降、日本でブランド展開してきた米カジュアル衣料のGAP。2005年には高価格帯の「バナナリパブリック」、12年には低価格帯のオールドネイビーも進出した。だがオールドネイビーは17年1月末までに国内53店を閉鎖。わずか4年間で日本から全面撤退する。
約3300の直営店、約450のFCとオンラインストアを世界90カ国で抱えるGAPは一時、大規模なSPA(製造小売業)チェーンで一世を風靡したものの、近年、風向きが悪い。
売上高は15年1月期の164億ドル、営業利益は14年1月期の21億ドルから右肩下がり(図表2)。直近の5~7月期も前年同期比24%減益に陥った。業績低迷の要因として、アパレル消費低迷、アジアでの原料高や人件費上昇、為替変動を挙げている。
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