成蹊大学法学部教授 西山隆行氏に聞く 『移民大国アメリカ』を書いた

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とどまるところを知らない中南米からの米国移民。移民問題を切り口にすると米国の政治の動きがよくわかるという。

移民大国アメリカ (ちくま新書)
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白人のバックラッシュに 乗じるトランプ候補

──米国には1100万人を超える不法滞在者がいるのですか。

米国には毎年100万人ほどの合法移民が入国している。同時に1990年代以降、中南米出身の移民が急増し不法滞在にも拍車がかかった。60年に中南米出身者は人口の3.5%にすぎなかったが、2011年の段階では17%になっており、50年には29%にまで増えると予想されている。この予測では47年には(中南米系を除いた)白人の比率が人口の過半数を割るとみられている。

──もうマイノリティ集団とはいえない?

次期大統領の候補者選びで共和党候補の争いに如実に反映している。ドナルド・トランプ氏と最後まで競ったのがマルコ・ルビオ氏とテッド・クルーズ氏。両者とも中南米系の人。党の主流派が期待していたブッシュ家のジェブ・ブッシュ氏は夫人がメキシコ人で本人も流暢なスペイン語を話す。このほか、もう一人有力だったベン・カーソン氏は黒人でもあったし。

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