「もんじゅ」廃炉の危機 受け皿組織見当たらず
原子力規制委から失格の宣告を受けた“夢の原子炉”の行方は。
MOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料の使用により、発電で消費したプルトニウム燃料よりも多くの燃料を作り出す“夢の原子炉”の実用化を目指して建設された、高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)。1980年代から、1兆円以上もの国費を投じて進められてきた巨大プロジェクトが、存亡の瀬戸際にある。
原子力規制委員会は2015年11月13日、もんじゅを運営する日本原子力研究開発機構(以下、「機構」)による安全管理体制に問題があることを理由に、運営主体の変更を求める勧告を、もんじゅを所管する文部科学相宛てに出した。勧告は新たな運営主体を特定できない場合には、安全上のリスクを明確に減少させるべく、発電用原子炉としてのもんじゅのあり方を抜本的に見直すように求めた。
これは事実上の「失格宣言」にほかならない。廃炉が現実味を増してきた。
電力、経産省も距離置く
表1からわかるように、もんじゅでは20年間にわたり、事故や法令違反が繰り返されてきた。95年12月、ナトリウム漏洩事故を起こして以来、15年近く運転を中止。10年5月に試運転を再開したものの、同8月には炉内中継装置の落下事故を起こし、再び運転中止に追い込まれた。
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