A(I 人工知能)の周囲が騒がしい。米グーグルやフェイスブックに続き、国内でもドワンゴやリクルートがAI研究所を設立。トヨタは今後5年間で1200億円を投じる。何が企業を引き付けるのか。
空前のAI(人工知能)ブームが巻き起こっている。10月下旬以降、AIという言葉を聞かない日はないくらいだ。AI関連の発表が各社で相次いでいるほか、都内では連日のようにセミナーが開かれている。第2四半期の決算発表でも、将来見通しの中で、AIに言及する企業はもはや珍しくなくなった。
特にAI研究所の設立はIT(情報技術)業界にとどまらない広がりを見せている。たとえば、就職情報誌や人材紹介・派遣大手のリクルートホールディングス。国内に設立したAI研究所に加え、米シリコンバレーにも新設する。米グーグルからアーロン・ハーベイ博士を引き抜き、研究所のトップに据える。ハーベイ氏はAIの論文本数が世界で最も多い科学者で、AI研究の第一人者なのだという。
なぜ今、AIなのか──。ソフトバンクグループの孫正義社長は、ハードウエアの進化を第一に挙げる。「ワンチップ(半導体1個)のコンピュータに搭載されるトランジスタの数が人間の脳細胞の数に匹敵するのが3年後の2018年。20年以上前に推察したときも、4~5年前の検証でも私の結論は変わらなかった」(10月22日のソフトバンクアカデミアでの発言)。二つ目の理由はビッグデータと呼ばれる膨大な量の情報だ。「今は1人平均2台しか持っていない情報端末が30年後には1人1000台になる」(孫社長)。
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