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5年後の日ロ関係に悲観的になる理由 職場などで役に立つ 「中期分析」の方法(9)

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安倍晋三政権はロシアとの関係を国際社会でうまく使おうとしているが、プーチン大統領はそれに乗ってこない(ロイター/アフロ)

現役の外交官の頃と比較して、筆者には、北方領土問題の展開がよく見えるようになった。それは、5年後の日ロ関係がどうなっているかという中期分析を想定しながら、日本政府が現在行っている北方領土交渉を観察するからだ。

日ロ関係は、振り子のように近づく時期と離れる時期がある。現在は離れる時期である。5年後の国際社会は、現在よりも国家エゴが強まっていると思う。ヨーロッパは、ギリシア危機で顕在化したように、EU(欧州連合)では遠心力が働きだしたこととイスラム系移民の問題で手いっぱいであり、国際問題に対してEUが団結して対処する可能性は減ってくる。その過程で、EUの超大国であるドイツの地位が高まる。また、EUの構成員ではあるが通貨に関しては独自政策を維持している英国の地位も向上するであろう。ドイツは輸出型国家だ。したがって、ドイツ製品を大量に輸入するロシアとの関係が強化されるであろう。英国は米国との提携を一層強め、ドイツやロシアとの関係は緊張するようになる。5年後においてもウクライナ問題は解決しない。ヨーロッパは、ウクライナと中東で起きる問題に煩わされ、アジア太平洋地域に本格的に進出することはできない。

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