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あの不祥事会見はここがダメだった 誌上覆面座談会 熟練広報・投資家はこう見た!

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Aさん(50代・男性)大手メーカー、官公庁外郭団体の広報トップを歴任 Bさん(40代・男性)大手メーカー、サービス業の広報を歴任 Cさん(40代・男性)国内機関投資家 Dさん(30代・女性)大手保険会社の運用担当者

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不祥事を受け相次ぐ経営トップの陳謝会見。ベテラン広報担当者はどう読み解いたか。また企業に投資する機関投資家はどう評価しているのか。

A 広報関係者の間で賛否が分かれているのが、トヨタ自動車の会見だね。個人的には、今回は豊田章男社長が出る必要はなかったと思う。「企業として捜査に全面的に協力する、不適切な事実が明らかになれば厳正に対処する」とリリースでコメントを発表するのが最善だったのでは。会見は問題に対して責任を持つ人が、お客様を含む社会に対して説明責任を果たすために行うもの。その意味では今回は役員個人のプライベートな問題だったし、タイミングとしても事実関係がはっきりしていない段階だった。

B 今回はおそらく、豊田社長自身の意思で開いたのだろうね。広報担当者だったらあの局面で、「会見してください」とは決して言えない。でも僕は会見を開いて正解だったと思うな。確かに個人的な問題だったけれど、役員人事はトップが責任を負うべき問題。また不祥事には可及的速やかに対応するのが鉄則と考えれば、あのタイミングも正しい。説明不足の面は否めなかったが、少なくとも日本の消費者の間で「あれだけの規模になっても家族的な企業」という好意的なイメージを演出できたという点では、企業価値にプラスに働いたのでは。

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