「安保法案に断固反対 違憲訴訟が多発する」 “反・安倍"の一匹狼、村上誠一郎議員に聞く
村上誠一郎 自民党衆議院議員
政府は5月15日、集団的自衛権の行使が可能になる、「安全保障関連法案」(安保法案)を国会に提出した。与党は6月24日までの会期を延長し、今国会での成立を目指す。これは戦後続いた日本の安保体制の大転換を図ることを意味する。
自民党内では、12日に開催された総務会において村上誠一郎衆議院議員(元行政改革担当相)がただ一人、反対を表明。その真意を聞いた。
──安保法案に反対する理由は何か。
まず手続きに問題がある。法の番人である内閣法制局は、「集団的自衛権の行使は憲法上認められない」という憲法解釈を守ってきた。しかし、安倍晋三首相に送り込まれた小松一郎長官(当時)が解釈を変更し、集団的自衛権の行使を可能とした。
これは従来の専守防衛から180度の大転換であり、本来は先に憲法改正を行ってから、法案を提出すべきだ。それを、内閣の一部局の解釈変更で法案審議が始められるなら、憲法は有名無実化する。
安保法案が与党の賛成多数で可決されても、その後は違憲訴訟が多発するだろう。最終判断は司法に委ねられる。法曹界では安保法案は違憲という考えが圧倒的に多い。賛成の議員に「違憲判決が出たらどうするか」と聞くと、答えに窮した後、「無効になります」と返してきた。
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