プログラミング学べる「ルンバ」に歓声上がる訳 「リアリティー」ある学びが、興味をかき立てる

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2020年4月からスタートした新学習指導要領で、小学校におけるプログラミングが必修化された。いまだにプログラミング教育に対して不安を抱える先生は多いものの、実際の授業をのぞいてみると、子どもたちは本当に楽しそうだ。「すごーい」「やったー」など、教室のあちこちから歓声が上がることも珍しくない。企業と連携して授業を行う学校も増えていて、より子どもたちの生活に身近な「リアリティー」のある学びが興味をかき立てているようだ。

子どもたちから歓声が上がる授業の中身

「では、今日からプログラミングを勉強するんだけど、皆さんの机の上に白いマットと機械が置いてあります。この機械は、皆さんがプログラミングを勉強するために作られた『Root(ルート)』くんと言います」と授業を始めたのは、東京・板橋区にある私立の淑徳小学校で3年生の担任を受け持つ細川雅史先生だ。

「『Root』くんを作った会社が、ここに書いてあるんだけど、アイロボットという会社なんです。アイロボットという会社聞いたことある人〜?」

そう先生が尋ねると、「CMで聞いたことがある」「うちの掃除機」など、教室の各所から子どもたちの声が上がる。クラスの人数は20人程度だ。

「ルンバって、お掃除ロボット聞いたことある人〜? ルンバというお掃除ロボットを作っている会社なんですけど、皆さんのプログラミングの勉強向けにこういったものを作りました。今日はこれを使って勉強していきます。まず黄色いボタンを押して電源を入れます」

プログラミングを学べる小さな「Root」を使った総合的な学習の授業

「うわ〜っ」と教室全体が盛り上がる。「では、iPadを使って『Root』くんに指示を出していきたいと思います」と細川先生は、「Root」をプログラミングで制御する専用アプリが入ったiPadの画面をプロジェクターに映し、iPadと「Root」をつなぐ方法を説明する。すべてタップするのみの簡単な操作だ。

操作は画面下のブロックを長く押して上に移動させるだけ

「画面の下にいろいろなブロックがあるよね? 青いブロックからスタートして、指示をしたいときは黄色いブロック。長く押して移動させてつなげてみよう。いろんなマークがあるから、何の指示なのかヒントにして、『Root』くんへの命令をイメージしながらつなげて、どんなふうに動くのか試しながらやってみて。動かすときは、左の矢印マーク。これよく見るよね? 再生とストップボタンだよ」

すると、先生が「Root」を黒板に貼る。磁石が付いているようで、先生が試しに組んだ「Root」への指示、プログラムがどう動くのか確かめられるようになっている。「すごーい」と子どもたちから拍手が起こる。「いろんなマークをつなげたらどう動くか? 音符のマークとかもあるよね。どんな動きをするのかやってみて。では、はじめ〜」

授業冒頭での先生の説明はこれだけだ。あとは、2人に1台の「Root」と「iPad」を使って画面上でブロックを組み、それぞれに動きを確かめていく。

2人に1台の「Root」と「iPad」を使って画面上でブロックを組み合わせ動きを確かめる

「3つ進んで曲がる 3つ進んで曲がる、やったー」と思いどおりの動きを再現でき跳びはねて喜ぶ子、「ちょっと待って、私やってみたいことある」と元気に動き回る子、くるくる回り続ける「Root」を見て「What?」とおろおろする子など、教室全体がにぎやかで楽しそうだ。

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