プログラミング学べる「ルンバ」に歓声上がる訳 「リアリティー」ある学びが、興味をかき立てる
ビジネスとしてプログラミング教育事業を手がける企業があるのはもちろん、自社が持つ知見やノウハウを生かして未来のIT人材を育成することを掲げ、社会貢献の一環として事業を展開している企業も多い。アイロボットも、その1つだ。
「今、コーディング言語を学ぶことは、英語や日本語を学ぶのと同じくらい重要になっている。プログラミングが流暢に話せる人が求められていて、人材教育も不足している。子どもの将来を約束するスキルであり、そのニーズに対応したいと考えている」とアイロボットの創業者であるコリン・アングル氏は話す。
アイロボットは、11年から米国で展開しているロボットエンジニアを育成するためのSTEMプログラムを3年前から日本でも展開している。そのプログラムをより多くの人に体験してもらおうと、プログラミングが学べる小さなルンバ「Root」を開発し、2月19日から発売する予定だ(公式ストアで2万9800円〈税込み〉)。
プログラミングをシミュレーションできる「Root」があるとわかりやすいが、プログラムアプリは無料でダウンロードでき、アプリだけでも十分にプログラミングを学ぶことができる。しかもアイロボットは、今回ホームページからの申し込みによる先着順で、1000台もの「Root」を全国の学校に無償で提供した。
すでに全国の小学校でパイロット授業がスタートしているが、「Root」のエデュケーショナルインストラクターである為田裕行氏は、「人の役に立つ実用的なロボットであるルンバを多くの子どもが知っています。ぶつかったり、段差を落ちたらどうなるか、例えば『障害物にぶつかったら、後ろに下がって、180度回転する』といったルンバの動きを知っていて、それがどういうコーディングになっているのかを『Root』で体験できるのが大きい」と話す。

こうしたプログラミング教育の第一歩としてのハードルの低さがある一方、テキストプログラミングまで対応しているので、子どもの習熟度に合わせて学ぶことが可能だ。「Root」を使ってどんな授業を行ったらよいかなど、指導案やワークシートまで用意されているという。
淑徳小学校では、「楽しみながら情報活用能力を高めること」をモットーに、20年11月から「Root」を使った授業に取り組み始めた。淑徳小学校の松本太学校長は「お掃除ロボットのルンバと『Root』とのつながりが直感的にわかるのがいい。プログラミング技術が生活を豊かにすること、現在の子どもたちの学びが将来生きるのにプラスになることが伝わるといいなと願っています」と話す。
(注記のない写真はすべてアイロボット提供)
制作:東洋経済education × ICT編集チーム
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