為末流、子どもの「やる気を生産する」方法 時代が変わっても残り続ける「先生の役割」
chapter.02より抜粋
教育現場のバーチャルとリアル
為末 インタラクティブ性と五感の情報。オンラインでいくら情報伝えられても、触覚とかそういうものって難しい。
有名なのでいくと、カクテルパーティー効果っていって、みんながパーティーをしているときに、目の前の人の声しか聞こえてないんですけど、後ろの人が、「為末が」って言った瞬間に俺の話かって気がつきますよね。これって不思議なことで、今までは聞こえていたのかっていうと、意識に上がってない。
何で名前呼ぶと意識に上がって聞こえるようになるのかっていうのは、要するに、人間は何に意識を向けるかが、その人に聞こえたと認識させていて、でも実際には、聴覚にさまざまな情報が入ってて、さらに卓球の選手とかは、耳をふさいで打つとちょっと下手になるんですけど、これは、選手が見えたって認識しながら、打った瞬間の音も同時に、判断に入れてる。
こういう情報を断ってしまうことがオンラインで、動画で送るっていうのは、相当な情報をカットして、視覚と音の一部だけしか伝えていないので、これは情報としては少ない。だから臨場感がない。
インタラクティブ性っていうのは、目の前で、そういう五感を使った情報のやり取りをしながら、「ん?なんかちょっと違う」とか、「ん?この表情が少し納得してないんだ」とか、そういうことを通じてアプローチすることは、いっさいできない。
【タイムテーブル】
00:11~ 人はなぜ、学ぶ必要があるのか
01:59~ 教育格差は是正されるべきか
02:19~ 「ICT教育の可能性」と「教育者」
03:41~ 教育現場のバーチャルとリアル
06:14~ ICTでスポーツは変わる?
企画・構成:山川淳平 鈴木奏子 吉田明日香
撮影:今井康一 吉濱篤志
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