「AI時代」を生きる子どもたちに必要な4つの力 「数理・データサイエンス・AI」誰もが学ぶ社会へ
2つ目に大事なのは、教員もある程度は情報スキルを身に付けること。日々忙しいとは思いますが、子どもが挑戦するわけですから、プログラミングは一度やってみてほしい。主体的にデータを取りにいくという力も教員自身が身に付けないといけません。
3つ目にぜひお願いしたいのが、教育以外の世界に関心を持つこと。企業のやる気ある若手は異業種交流などにも熱心です。そういう場所に参加してみるなど、社会との接点を持って視野を広げてほしいと思います」
「AI戦略2019」の成功のカギについて、安西氏はこう考えている。
「国内外の変化を見ていて思うのは、今は明治維新に匹敵する大きな転換の時だということ。時代の要請という観点からも人間教育という観点からも、『AI戦略』が提示する『教育改革』は非常に大事です。デジタル庁設置が打ち出されて行政も変わろうとしていますが、AI戦略の実現は教育現場や企業も行政も含め、多くの人がその重要性を感じてくれるかどうかにかかっている。とくに教育界の方々が内にこもらずに心を開いてくれるかどうか。今はまさに、その分岐点にあると感じます」

1974年慶応義塾大学大学院工学研究科博士課程修了。カーネギーメロン大学客員助教授を経て、88年慶応義塾大学理工学部教授。2001年~09年慶応義塾長。11年独立行政法人日本学術振興会理事長、18年~同顧問・学術情報分析センター所長。中央教育審議会会長、環太平洋大学協会会長等歴任。1970年代半ばから認知科学や情報科学の研究を推進し、2018年博士(哲学)の学位取得。『教育が日本をひらく―グローバル世紀への提言』(慶応義塾大学出版会)など著書多数。文化功労者、紫綬褒章、フランス共和国教育功労章コマンドゥールほか多数受賞
(文:編集チーム 佐藤ちひろ、写真はプロフィールを除き梅谷秀司撮影)
制作:東洋経済education × ICT編集チーム
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