パックン流、考える力を深める対話と交渉術 教室をクリエーティブな場にする新たな学び
「対話やディスカッションには気力が必要だけど、教える側もその方が面白いんじゃないかな。僕にとっては教え込むほうが眠くなっちゃって大変!僕の講義は熱いですよ。学生もディスカッションを楽しんでいますし、『コミュニケーションスキルを生かして就職できました』と報告しにきてくれる学生もいます」
そう話すパックンは、新学習指導要領に期待しているという。
「新学習指導要領によって、日本の教育のいい点を保ちながら思考力を育むという理想に近づくのでは。ただ、クリエーティビティを伸ばすためには、テンプレートを教えるのではなく、自分なりのやり方をつかんでほしいですね。子どもたちが研究の方法も発表の仕方も自分で考えて実行するとかね。外国語教育にしても、英語の授業だけにこだわらず、いろんな場面で英語を使ってみるのもいいでしょう」。どういうことか。例えば、教員が、英語以外の授業で英単語を混ぜてしゃべりかけるのも1つ。「学年が上がったら『列に並んで!』を『Get in a line!』と言ってみたり。先生や親が普段から英語を話せば、子どもにとっても英語は特別なことではなくなるでしょう?」とパックンは続ける。
対話的な授業によって、教員が子どもたちの意見や発想力に本気で驚いたり、感心したりする姿を見せることが、対話の環境づくりに寄与するのではないだろうか。新学習指導要領の導入は大人のマインドセットを変えることにもつながるはず。そう期待する一方で、教員の過重労働が気になっているという。
「先生たちの働く環境をもっと改善してほしいな。そのためなら、僕はもっと税金を払ってもいいと思っています」。教員の仕事は、社会的にもっと尊重されるべきだとも指摘する。
「僕は日本の社会が大好き」とパックン。「その社会の基盤をつくるのが教育なのです」と力強く語ってインタビューを終えた。
制作:東洋経済education × ICTコンテンツチーム
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