東武「大樹」に続く新たなSL導入の構想も

復活運転が人気、通年運転のメリット大きい

当日は先発の「リバティ」が少し遅れて出たため、慌ただしかった中「約35分間、鬼怒川温泉駅までのノスタルジックなSLの旅をお楽しみください」の放送に送られて、折戸が閉まる。発車。太いC11の長笛一声が響くと、続いて補機の鋭いホイッスル。レトロ調の新制服に身を包んだ駅長以下、駅員やSL検修員が総出のごとくホームに並んで手を振り、旗を振り、見物に訪れていた人々も満面の笑みではしゃいで、見送ってくれる。

SL列車の走り出しは、グイッグイッとしゃくる動きが伝わってくるものだ。しかし、鬼怒川線はいきなり大谷川の鉄橋に向けた急カーブで始まるので加速はわずか。満席の賑わいに囲まれた中では、ほとんどわからない。その大谷川でも、河原の人々が手を振ってくれる。

さらに急カーブの大谷向駅をゆっくり通過するころ、国鉄客車オリジナルのオルゴールが鳴り、車掌が編成の案内と停車駅、到着時刻を告げた。オルゴールも音声も懐かしい音色だ。それに続いて各車1人ずつ乗っている観光アテンダントのあいさつ、そして彼女らによる車内改札。彼女らは日光市観光協会のスタッフという。

コレクター心理を突いた乗車証や入場券

切符を確かめると、記念乗車証が渡された。特殊印刷で大谷川を渡るシーンが左右に動く、その図柄は「大樹3号」の専用で、「大樹」の他の列車では別物が配られる。そして2枚、4枚、もしくは全列車完乗の6枚と集めると、プレゼントがある仕組み(2018年8月9日までの実施)で、重ねての乗車を誘う。

乗車券としては下今市―東武日光・新藤原間をフリー乗車区間とする「日光・鬼怒川エリア鉄道乗り放題きっぷ」が発売された。東京方面から通しの乗車券やクーポンでない場合に500円と格安感をもって使えるからマイカーで訪れた観光客は重宝するだろう。

下今市の機関庫に戻ったSL「大樹」(撮影:杉山 慧)

また、そのフリーきっぷは東武日光や下今市、鬼怒川温泉等の硬券入場券(大人1枚150円)を3枚セットできる台紙になっており、鉄道ファンなら“穴埋め”を完成させたくなる。記念乗車証と言い、コレクター心理の絶妙なところ?を突いてくる。

ただ、「大樹」は別途、SL座席指定券750円が必要な全車指定席の列車であり、滑り出しの現状ではほぼ満席続きのようだったから、ふと思い立っての記念乗車証集めは少々ハードルが高いかもしれない。

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