PhotoGallery

「こんな普通の田舎料理が」と批判されたが…。過疎の無人駅で売れ続ける「名物駅弁」。心無い声にもめげず《九州駅弁グランプリ》4冠の舞台裏

(筆者撮影)
山田まゆみさん。配送用の車の前で(筆者撮影)
竹皮の弁当箱を、駅舎の写真をプリントした紙を巻いて竹紐で結んである。中には箸とお品書き、お手拭きが入っている。弁当の値段は1800円。最近まで1500円だったが、原料の高騰もあり2025年4月から1800円になった(筆者撮影)
弁当の蓋を開けると、地元産を中心に国産食材を使ったおかずがきれいに並べられている(筆者撮影)
しいたけの存在感が大きい(筆者撮影)
鹿児島の郷土料理の代表格・ガネ。サツマイモの細切りを粉と合わせて揚げる。作り方は地域、人によってさまざまだが、水を一切使わずに作るのがまゆみさんのやり方。サツマイモ、人参、ニラを切り、卵に砂糖、醤油、塩を混ぜておいておくと野菜の水分が出てくるので、そこに小麦粉を絡めてから油で揚げている(筆者撮影)
待合室やホーム、駅舎の外には木製の長椅子が置かれており、ここで誰かを待っていた人もいたのだろう。嘉例川駅にはそんな歴史に思いを馳せたくなる風情がある(筆者撮影)
多くの人を迎え、送り出してきたであろう嘉例川駅舎(著者撮影)
自宅前に建てた厨房。約4坪程度のここで数百食もの弁当を作る。「当時は一人で使うだけだから十分な大きさと思っていたんですけど‥‥忙しいときは5人くらいで作業するからかなりひしめき合っています」とまゆみさん(筆者撮影)
嘉例川駅から歩いて数十メートルの左手にある場所(現在は温泉施設を建設中)で駅弁販売していた(筆者撮影)
現在は嘉例川駅構内で販売。駅弁販売は主に夫の文昭さんが担当(筆者撮影)
嘉例川駅舎(筆者撮影)
「はやとの風」が2022年に運行終了した際は、客室乗務員たちから手書きの感謝状が贈られた。駅弁「百年の旅物語かれい川」は、観光列車の知名度や人気アップにも貢献したという(筆者撮影)
「花を待つ駅かれい川」(1800円)。黒米は桜の花、卵焼きは黄色の特攻花、梅肉は彼岸花、白いサトイモは野に咲くヒメジョオンをイメージしているという。けせん団子の爽やかな香りが清涼感を添えている(筆者撮影)
嘉例川駅で駅弁販売をする文昭さん(筆者撮影)
包み紙をほどくとこんな感じ(筆者撮影)
弁当箱にはお品書きの紙が挟まれており、一品一品説明がある(筆者撮影)
ごはんは冷めてもおいしい「ひのひかり」を使用。地元の生産者から籾の状態で50俵仕入れている(筆者撮影)
みそ田楽。麦みその香ばしい風味がたまらない(筆者撮影)
がね(300円)も販売。カリっと香ばしく揚がっている。揚げ物には、白絞油と菜種油を合わせて使い、こまめに交換しているそう(筆者撮影)
ガネは近くの清流・天降川のほとりで食べた(筆者撮影)
天降川の青い清流と木々の輝く緑に癒される(筆者撮影)
駅舎の隣にある公園(筆者撮影)
誰かが自宅から持ってきてくれたような椅子が置かれており、その飾らなさにくつろいだ気持ちになる。ここでお弁当を食べるのもいいだろう(筆者撮影)
駅舎からホームを眺めると、外の緑がまぶしい(筆者撮影)
駅の線路は1本を残すのみ(筆者撮影)
(筆者撮影)
森の奥へに消えていくような列車(筆者撮影)
6月にはツツジが咲いていた(筆者撮影)
嘉例川駅周辺を歩いて回ってみた(筆者撮影)
踏切を渡りながら撮影した写真。線路が森の中に消えていくような風景は、映画『スタンド・バイ・ミー』を髣髴とさせる(筆者撮影)
のどかな風景(筆者撮影)
田んぼ(筆者撮影)
隣の中福良(なかふくら)駅にも足を伸ばしてみた(筆者撮影)
中福良(なかふくら)駅のホームにある待合所(筆者撮影)
時刻表。1~2時間に一本くらいのため、乗り遅れると大変だ(筆者撮影)
深い緑の中を列車は進む(筆者撮影)
中福良駅ホームから見た風景(筆者撮影)
紫陽花が咲いていた(筆者撮影)
あたりの緑を映すミラー(筆者撮影)
中福良駅近くには清流が流れていた(筆者撮影)
表木山駅にも足を伸ばしてみた(筆者撮影)
表木山駅の待合室(筆者撮影)
かすれて文字が薄くなった駅名標(筆者撮影)
樹勢が良く、緑に飲み込まれそうな駅名標(筆者撮影)
青い空、緑濃い森、駅のホーム。これぞ夏の田舎といった旅情を感じる(筆者撮影)
使い終わった切符を入れる集札箱(しゅうさつばこ)(筆者撮影)
ちょうど列車がやってきた(筆者撮影)
表木山駅の開設50周年を祝福した記念碑がある(筆者撮影)
山田さん自宅前の厨房。ここに出来上がったお弁当を並べて最終チェックする(筆者撮影)
取材日は、けせん団子とふくれ菓子を作っていた(筆者撮影)
厨房にはびっしりとレシピを書いたメモが貼られている。秘伝のレシピだが、おそらくこの通りに作ってもまゆみさんの味とはまた少し違った味になりそうだ(筆者撮影)
自家製梅干し。「花の待つ駅かれい川」にも使われている(筆者撮影)
取材時にふくれ菓子を頂く。中にジャムが入っており、酸味と甘味、ふくれ菓子のふんわりやわらかい口当たりのバランスが見事に調和している(筆者撮影)
あくまきを作って販売しているときも。あくまきは鹿児島県を中心に南九州地方で食べられる伝統的な餅菓子。もち米を一晩灰汁(あく)に浸し、竹の皮で包んで煮込んで作られる(筆者撮影)
砂糖入りのきなこが同封されている(筆者撮影)
竹皮の包みを紐解くと、艶のあるべっこう色に輝いているあくまきが出てくる(筆者撮影)
切り分けて(筆者撮影)
きなこをたっぷりかけていただく(筆者撮影)
九州駅弁グランプリのトロフィーを並べた棚。トロフィーがどんどん増えて、そろそろスペースが足りなくなりそうだ(筆者撮影)
山中にある無人駅で、売れ続けている駅弁がある。鹿児島県霧島市にある「嘉例川駅」は、1903(明治36)年…