〈再生と変貌〉JR九州を襲った「組織崩壊の危機」、上意下達の縦割り風土を改める「異例の全社員対話」と「1600人幹部研修」
人材の獲得にも深刻な影響を及ぼした。民間の調査サービス「マイナビ」による大学生の就職企業人気ランキングでは、九州・沖縄エリアで1位を獲得したこともあるなど、上位が定位置だった。
20年のランキング(21年卒学生を対象に調査)では九州・沖縄エリアで2位だった。それが21年には10位、22年には16位と大きく下がった。
こうした組織の危機に対し経営陣は、全社員との対話を通じた組織の再生が必要だと強く認識した。単に業績回復を目指すだけでなく、根本的な企業文化の変革により「社員一人ひとりの力を最大限に引き出すことが必要だと考えた」。古宮社長はそう振り返る。
古宮社長は社長就任直後から、全社員との対話(意見交換)を開始した。社長を筆頭に各役員が現場に出向き、1回あたり20人程度のグループに分け、3年間かけて全社員(約5000人規模)と膝を突き合わせた意見交換会を実施した。大規模組織としては、異例の取り組みであった。




















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