12月施行の「スマホ新法」意外な落とし穴、セキュリティリスクは外部ストア解禁による危険アプリ問題だけじゃない!押さえておくべき対策を解説

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一般的な利用においてはこれらの対策で十分な安全性が確保されますが、リスクの高い利用環境では、信頼できるモバイル向けセキュリティソフトの導入を検討してください。

選択時は、知名度の高いセキュリティ企業の製品、公式ストアから入手可能な製品を基準とし、Android端末ではAV-TESTなど第三者評価機関での高評価も参考にするとよいでしょう。フィッシング対策やWi-Fiセキュリティチェックなどの基本機能を確認することが重要です。

企業が取り組むべき「ルール化」のポイント

企業においては、社内スマートフォンの使い方に関するルール化が必要です。また、会社支給の端末には管理システムを導入し、許可されていないアプリのリアルタイム削除や不審な動作の自動検知を整えることが重要です。

ただ、従業員の立場からすると、このようなルールが複雑になればなるほど、覚えるのも一苦労です。「このアプリは使っていいのか」「この決済方法は会社の規定に合っているのか」といった細かいチェックを毎回するのは現実的とはいえないでしょう。

また、リアルタイム監視によるプライバシーへの懸念もあります。企業の管理者にはぜひとも、従業員の声を聞きながらルール化を進めてほしいと思います。

セキュリティも大切ですが、あまりに厳しすぎるルールや監視は、働く側のモチベーションやプライバシーに影響を与えかねません。実際に端末を使う現場の意見を取り入れて、セキュリティと使いやすさのバランスが取れたルール作りをお願いしたいところです。

今後、スマホ新法が本格的に始まると、スマホ周りの技術環境は大きく変わりそうです。AIアシスタントの普及や6Gネットワークなど、新しい技術が次々と登場する中で、セキュリティの課題もどんどん複雑になっていくことが予想されます。

業界や政府も対策を検討していますが、技術の進歩に追いつくのは簡単ではないでしょう。12月の法律施行まであまり時間もありませんし、個人も企業もできるところから対策を始めるしかないというのが現状かもしれません。

完璧な対応は難しくても、少しでもリスクを減らす努力は、アプリ提供者やストア提供側、利用者側それぞれが続けていく必要がありそうです。

東洋経済Tech×サイバーセキュリティでは、サイバー攻撃、セキュリティーの最新動向、事業継続を可能にするために必要な情報をお届けしています。
宮崎 力 一般社団法人日本スマートフォンセキュリティ協会 技術部会 副部会長兼WGリーダー

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みやざき つとむ / Tsutomu Miyazaki

1976年生まれ。セキュリティ企業であるラックにて、IoT機器のマルウェア解析、自動車のホワイトハック、仮想環境におけるマルウェア解析、スマホ診断、SOC業務などの幅広いセキュリティ業務に従事。2020年から現在まで、JSSEC発行『Androidアプリのセキュア設計・セキュアコーディングガイド』のワーキンググループリーダーを務める。

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