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〈ショパンコンクール〉カワイのピアノ開発者と調律師が「極限のコンクール舞台裏」を吐露、誕生から26年「シゲルカワイ」躍進までの紆余曲折

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――調律師にとってコンクールは、相当なプレッシャーがかかるのでは?

阿部:本当にハード。精神的にも肉体的にも、極限の仕事だと思う。

大久保:やはり会社のプライドもかかっている。そして何より、周りの期待も大きい。私はこの、本当に吐き気がするほどのこのプレッシャーが結構好き。私はそれをドキドキ感と、紙一重で戦っている。そのせめぎ合いがたまらない。

メーカーとして他社には負けたくないし、ブランドとして結果を出したいという思いで臨んでいる。ただ、これまで親しくしてきたピアニストも、ステージが進むにつれて必ず誰か落とされてしまう。それを見ると、本当に胸が痛くなる。

阿部:落選したピアニストから「ごめんなさい」と謝られるよね。われわれが。

大久保:そう。あれは本当につらい。

ファイナルで選ばれず卒倒

――ショパンコンクールのファイナル(最終審査)は協奏曲が課されるため、力強く鳴るスタインウェイに変更するピアニストもいると聞きます。

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