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トライアル出身の西友新社長が語る【買収後の戦略】/西友不振の根本原因と打開策/2つの「高値」批判への回答は

セゾングループからウォルマートの傘下へ。2021年以降は投資ファンドが筆頭株主となり、徹底的な合理化を進めてきた(撮影:今祥雄)
――7月にトライアルHDは西友の全株式を3800億円で取得しました。のれんは2500億円超にも達し、業界や金融筋からは「高値づかみ」との評価もあります。
そういう評価が多いことは知っている。しかしそれでも、このチャンスを勝ち取らねばならない、というトライアル経営陣の思いが強かった。
一番の魅力は立地だ。九州を中心に郊外に店舗を展開する当社に対し、西友は首都圏などの都市部駅前立地に多くの店舗網を持つ(編集注:西友はファンド傘下だった2024年に北海道事業をイオン北海道に、九州事業をイズミに売却している)。
首都圏でこれだけの店舗を広げられる機会は、これからはもう出てこないだろう。
立地だけではなく、人材も大きな要素だ。
トライアルグループはここ数年、年率2桁で売り上げの成長が続いている。しかし企業の成長に対し、人の成長が追いついていない、というのもわれわれの偽らざる実態だ。
西友は近年、成長が鈍化している状況だが、逆に言うとオペレーションは非常に成熟している。現場にはローコスト・オペレーションが浸透しており、本部の指示を現場で徹底する組織力も高い。われわれトライアルとしても学ぶべき点は多い。
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