小学校受験「行動観察」で5〜6歳に問われるマネジメント力とは? 遊びとの共通点5つ 「お買い物ごっこ」でマーケティング視点が育つ

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
【行動観察でお買い物ごっこが出題された学校の例】
2025年 青山学院初等部
2024年 慶應義塾横浜初等部
2022年 早稲田実業学校初等部
2018年 雙葉小学校(四谷)
2017年 慶應義塾横浜初等部

従来、お買い物ごっこは子どもたちにとって日常に根付いた遊びでした。しかし近年の子どもたちは、ネットショッピングの拡大やセルフレジの導入などで、実店舗で店員さんと会話しながら買い物をする機会が減っています。そのため、お買い物ごっこでも「いらっしゃいませ」以外の言葉があまり出てこないのです。

コノユメSCHOOLでは先日、江戸時代から続く老舗の和菓子店「御菓子司しみずや」とのコラボレーションで、子どもたちが埼玉・草加の実店舗で店員さんになる「リアルお店屋さんごっこ」を実施しました。

コノユメSCHOOL「リアルお店屋さんごっこ」
2025年5月18日に開催された「リアルお店屋さんごっこ」(コノユメSCHOOL主催)の様子。埼玉県草加市の老舗和菓子店「御菓子司しみずや」で実施した
コノユメSCHOOL「リアルお店屋さんごっこ」
看板も、子どもたちが手作りで作成した

子どもたちは、販売員として保護者に和菓子を売ります。事前に商品の特徴を学び、お金のやり取りや接客の練習もしました。そして迎えた“開店本番”。

「江戸時代からの伝統の和菓子ですよー」
「柏餅は一度蒸しているから柔らかいですよ」
「家族で食べると笑顔になりますよ」

コノユメSCHOOL「リアルお店屋さんごっこ」
商品の魅力などを説明しながら、お客さんである保護者たちに和菓子を販売する

商品の魅力や優位性を伝え、購入のメリットを伝える言葉の数々。まさにマーケティングや営業の視点です。開始前は緊張で張り詰めた空気でしたが、お客さんを前に自然に表情がほぐれ、自信に満ちた面持ちで楽しむようになっていきました。

子どもたちがすごいのは、これらの表現を自分たちの語彙力で紡ぎだしたこと。素直でストレートな言葉は心に響きます。学びは、本気で考えることから始まるのかもしれません。

大原英子
大原英子(おおはら・えいこ)
コノユメ代表取締役
東京大学卒業後、大手通信会社勤務。その後、自身の母親が30年続けている受験絵画教室のメソッドを活かし、2011年小学校受験専門幼児教室設立。その後、2022年5月に株式会社コノユメを設立し、家庭学習をサポートするオンラインSCHOOLを開校。慶應義塾幼稚舎、慶應義塾横浜初等部、早稲田実業学校初等部、雙葉小学校、白百合学園小学校、東京農業大学稲花小学校、など難関校へ多数の合格者を輩出している。
(写真は本人提供)

最初は「いらっしゃいませ」しか言えなかった子どもたちが、なぜこれほど表現力豊かな呼び込みをできるようになったのか。

私が伝えたのは、「『買ってください』と言われても買いたくはならないよね。これはどんな商品なのかな? 他の商品よりすごいところはなに? これを買うとどんないいことがあるのかな?」ということだけです。言い方を直接伝えるのではなく、あくまで考えるための問いかけをしました。

こうした力は、特別な教育機関に通わずとも、十分家庭で育てることができます。大切なのは、日常生活で「気づき、考え、伝える」機会を増やすことです。そのために、親は子どもの視野を広げる多角的な問いかけをしてあげてください。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事