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発電大手JERAが目指す「カスタムメイドな電力」の販売。東宝などとのコラボで、24時間365日すべての電力の脱炭素化狙う

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トップの合意から3年近くたった2024年11月、JERAの袖ケ浦火力発電所(千葉県袖ケ浦市)構内で、日本でもあまり例のない水素発電設備が商業運転を開始した。燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しない水素発電の電力を東宝スタジオに供給するためだ。茨城県や千葉県の太陽光発電所からの電力と合わせ、東宝の脱炭素化のための電力供給の第一歩となった。水素発電システムは、ヤンマーエネルギーシステムが納入した。

東宝スタジオでは、昼間の電力需要の多くを太陽光発電から供給を受ける一方、夜間や雨天などで太陽光では賄えない分を水素発電でカバーする。現在、調達している水素は、石油精製の過程で発生したCO2排出を伴う「グレー水素」だが、今後、化石燃料由来ながらCO2の地下貯留などで排出量の少ない「ブルー水素」や、再生可能エネルギー由来でCO2排出のない「グリーン水素」に切り替える目標を立てている。

東宝スタジオでは、食堂やビルの入り口などにモニター画面を設置して発電やCO2の削減状況を表示し、社員や映画制作のスタッフに脱炭素化の取り組みの重要性を伝えている。

脱炭素化の取り組みについて説明する、島田充TOHOスタジオ社長(撮影:尾形文繁)

東宝スタジオでは多い時には約1000人が働いている。島田社長は「環境保護への取り組みを感じながら映画作りに従事してもらいたい。ロケーションも含めてゼロエミッション(CO2ゼロ排出)で映画を作ることが次の課題だ」と話す。

24/7カーボンフリー電力の取り組み

JERA Crossと東宝スタジオの取り組みは、日本ではまだあまり例の少ない先進的なものだ。それは、「24/7(トゥウェンティフォーセブン)カーボンフリー電力」を目指している点にある。

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