BNPパリバ幹部「2025年もグリーン債市場は成長」 欧州、アジアが牽引、脱炭素の潮流は不変

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――ヨーロッパ諸国では従来の与党が選挙で相次いで敗退し、政権交代も起きています。環境や社会分野への投資の推進力が低下する懸念は。

少なくともヨーロッパの投資家コミュニティでは、(環境や社会課題を重視するという)明確なトレンドがすでに確立している。政治体制の変化による影響は、投資分野には表れていない。

気候変動問題が長期にわたって国や企業にインパクトを与えるものであり、気候変動問題によるクレジットリスクへの影響を見極めて投資しなければならないというマインドは定着している。

Chaoni Huang/BNPパリバ アジア太平洋・サステナブル・キャピタル・マーケット・ヘッド、マネージング・ディレクター。2006年以来、サステナブルファイナンスにおいて17年以上の経験を持ち、Natixis、S&P Trucost、MSCI、国連でESG関連のさまざまな役職を歴任。現在、香港グリーンファイナンス協会 エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント(撮影:尾形文繁)

――アジア太平洋地域の動向は。

中国は政府として気候変動対策を推進しており、2060年温室効果ガス排出ネットゼロという目標を掲げている。そこに向けて2040年までに電力網での脱炭素を達成すべく政策を進めている。

香港は2050年ネットゼロを目指し、電力・ガス、交通、建築物、廃棄物・水関連の4分野で積極的に取り組みを進めている。

韓国企業は2024年に外貨建てのサステナブルボンド市場で活発に起債をしている。

サステナブルボンドでは日本、韓国、中国が中心的な市場になっている。

GX経済移行債の発行は成功

――日本政府によるGX経済移行債発行は、日本の国内投資家による引き受けが中心で、多くの資金が国内で吸収されたと指摘されています。「グリーンプレミアム」と呼ばれる、発行メリットもほとんど観測されていないとも言われます。果たして成功だったと言えるのでしょうか。

円建ての発行であることから、まずもって国内投資家が関心を示すのは当然だ。世界的に見た場合、トランジションファイナンス分野での起債という点でランドマークになった。通常の国債と比べて利回りに大きな違いがないことは、日本だけの事情ではない。トランジションファイナンスをきちんとした戦略に基づいて実行することができるということを日本政府は証明した。その点でもGX経済移行債の発行は成功例だと言える。

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