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FTXショックから反転、暗号資産の「静かなる熱狂」 米規制強化の一方、日本は「後押し機運」高まる

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FTXの破綻で業界の信頼は失墜したかにみえるが、日本はチャンスを迎えている。

収監されることとなったFTX創業者のサム・バンクマン・フリード被告(左)。7月に東京で開かれた暗号資産関連のイベント(右)は熱気に包まれていた(左写真:Bloomberg、右写真:WebX実行委員会)

時代の寵児が収監へ――。

8月11日、ニューヨークの連邦地裁は2022年11月に経営破綻した暗号資産(仮想通貨)交換業大手、FTXトレーディングの創業者であるサム・バンクマン・フリード被告の保釈を取り消した。少なくとも2回にわたって、証人に干渉したことを示す相当な理由があるためだという。

顧客や出資者をだますなどアメリカ史上最大規模の詐欺とも言われる事件を起こしたサム氏は、かつては260億ドル(約3.8兆円)規模の資産を有していたとされる。2022年12月の逮捕後は、2.5億ドル(約360億円)の保釈金を支払いカリフォルニア州の実家に滞在していたが、2023年10月に行われる予定の裁判を前にあえなく収監となった。

劣勢はこれにとどまらない。アメリカ連邦検察当局は8月14日、同被告が顧客資金を流用して2022年のアメリカ中間選挙前に1億ドル以上の政治献金を行っていたとして、追起訴した。

サム氏は民主党の大口献金者として知られ、数々の政治工作を行ってきたことで知られる。FTXの破綻をめぐり、サム氏は7件の共謀罪と詐欺罪に問われているが、これで選挙資金法違反の共謀罪が新たに起訴状に加わった。

2022年のビットコイン価格は6割下落

多くの著名人をマーケティングに起用するなど、FTXの栄華は暗号資産ビジネスの盛り上がりを象徴していた。

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