過去10年にわたり止めどない成長を遂げてきたテクノロジー業界がいよいよ苦境に立たされている。イーロン・マスク氏に買収されたツイッターは、同氏の突飛な行動で危機的状態。暗号資産交換業者FTXは突如として自壊し、多くの暗号資産企業を道連れにした。メタ(旧フェイスブック)は全従業員の13%に当たる1.1万人を解雇(レイオフ)。アマゾンも1万人の人員削減を進めている。
こうしたテック企業のつまずきは、それぞれに独立した別個の出来事なのか、それとも構造的な変化の表れなのか。私は、世界経済は構造変化の初期段階にあると考えている。それによってもたらされるディスラプション(破壊的変化)は、従来の経済体制の最大の勝者だったテック業界にとって、とりわけ厳しいものになるだろう。
長期の経済安定が慢心の原因に
過去10年の経済環境はビジネスにとって理想的なものといえた。先進各国の金利と物価上昇率は異例の低水準が続き、グローバル市場へのアクセスや労働コストを最適化するサプライチェーンの維持も、大国間の平和的関係に支えられて容易なものとなっていた。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら