eスポーツ選手に教わる「ぷよぷよプログラミング」で、楽しみながら学ぶ 出張授業でコロナ禍にも子どもに幅広い経験を
華やかな世界と、その地道な面の双方を知る機会に
授業後半、正しいソースコードでゲームが動くようになってくると、教室中が笑い声に包まれてにぎやかになった。生徒がプログラミングを勉強ではなく「ゲームにつながるもの」と捉え、気軽に楽しんでいることがうかがえる。
この講義ではさらに、背景の色を変えたり、「ぷよ」の落下速度や置ける数を変更したりする方法も教わることができる。生徒たちは事前に用意したイラストを使ってオリジナルの「ぷよ」を配置するなど、ゲームを楽しむ側にいるだけでは味わえないクリエーティビティーも満喫していた。
また、終盤にはゲーム開発やeスポーツへの質疑応答も設けられた。著作権やネットリテラシーの話、年齢や場所などさまざまな障壁を乗り越えるeスポーツの特性から、SDGsにまつわる話もあった。「難しすぎても簡単すぎても駄目。いちばん面白いゲームバランスを探るのが大切」という開発者の苦労話もあり、生徒たちはゲーム中とは一転、じっと耳を傾けていた。
授業を締めくくったのは、ぴぽにあ氏と生徒による対戦コーナーだ。「開始後4手分は操作しない」「ぷよを回転させない」「コントローラを逆さに持つ」など、重いハンディキャップを自ら負ったにもかかわらず、ぴぽにあ氏は鮮やかに挑戦者の生徒を打ち負かしていく。歯が立たない生徒たちに連鎖が起こりやすいテクニックを教えもしたが、生徒はそのテクニックだけに頼らず、何とか自分の力でぴぽにあ氏に挑もうとしているようだった。

「うまくなるコツは?」と聞かれたぴぽにあ氏は「楽しいと思えることを見つけて継続すること、うまい人のやり方をまねること」と答えた。これはeスポーツやプログラミングに限らずすべての仕事に通じることだが、生徒たちにはどう響いただろうか。
ぴぽにあ氏はさらに「年収は?」という答えづらい質問にも誠実に回答し、1日の過ごし方やフィジカルトレーニングの重要性についても語った。生徒にとっては、華やかな世界の裏側を知る貴重な機会にもなったはずだ。
(文:鈴木絢子、写真:風間仁一郎)
東洋経済education × ICT編集部
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