2月、海外の経営者グループにオンラインで日本の雇用システムについて説明し、意見交換を行う機会を得た。活発な議論となったが、筆者にとっても日本的雇用システムの今後について改めて思いを巡らす機会になった。
高度成長期以降に確立された日本的雇用システムの本質は、「企業による人材の長期育成と活用」にあるというのが一般的な理解だ。
長期的に人を育てるためには、従業員の定着と雇用安定が必要であり(長期雇用)、また勤続年数とともに職業能力が高まるがゆえにそれに応じた処遇改善も必要となる(年功賃金)。企業は社内での人材育成を重視し、会社の将来を担う基幹的な人材は新規学卒者から訓練しようとする(新卒一括採用)。企業は雇用保障の見返りとして従業員による企業への献身を得て、長時間労働や単身赴任などが生じるとされる。
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