明治神宮外苑、「樹木1000本伐採」は許されるのか 大型再開発が突きつける文化財保護の意識
明治神宮外苑の再開発をめぐり、計画の見直しを求める声があがっている。樹齢100年を超える古木を含め、約1000本の樹木が伐採されることになっているからだ。
明治神宮外苑の大規模再開発をめぐって、見直しを求める反発の大合唱が起きている。
東京都の都市計画審議会は2月9日、港区と新宿区にまたがる明治神宮外苑地区における約28.4ヘクタールの再開発計画を承認した。審議会に出席した委員25人のうち22人が賛成し、3月10日に都市計画決定が告示された。
再開発計画では、現在の明治神宮第2球場跡に高さ55メートルの屋根付き新ラグビー場を建設。同じく秩父宮ラグビー場の跡地にホテルと一体になった新野球場を建設する。新しい野球場とラグビー場の間には1.5ヘクタールの広場を創設。青山通り沿いの伊藤忠商事本社ビルは190メートルの超高層ビルに建て替えられ、新球場脇にも高さ185メートルのオフィスビルが新たに建設される。
2022年度中に明治神宮第2球場などの解体工事が始まり、2036年にかけて球場やビルが順次竣工していく。
開発を手掛ける三井不動産は、「神宮外苑地区がこれまで以上に広く一般に開かれた空間となるように、不特定多数の人が利用できる施設や空間を新たに創出することで、誰もが日常的にスポーツに親しめる環境の形成を目指す」(広報部)と話している。
反発のきっかけとなった「ある提言」
だが、この大型再開発に対して反発の声があがっている。
「計画は一から見直すべきだ」。アメリカ人経営コンサルタントのロッシェル・カップさんはオンライン署名サイトで再開発に反対する5万1536人分の署名を集めて、3月2日に都庁に提出した。
東洋英和女学院高等部3年生の楠本夏花さんと秋山舞耶さんも3月7日に6318人分の署名を都に提出し、「目の前のお金儲けより、長い視点でまちづくりを考えてほしい」と訴えた。
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